カテゴリー「乳がんの疫学と薬物療法まで」の記事

2008.03.07

乳がんの疫学と薬物療法まで(6)

「乳がんの疫学と薬物療法まで(6)」です。

今回は、先日に乳がんの再検査に行かれたお客様から
頂いたメールの紹介です。

許可を頂いていて、ここに掲載させて頂きます。



土屋薬局 御中

お早うございます。
今日は朝から花粉がすごいみたいで、くしゃみが
止まりません。

その後いかがお過ごしですか?
先日は励ましのメールをありがとうございました。

土屋さんが書かれた乳がんに関するブログも読んでから
検査に臨んだので、安心して検査を受けられました。

昨日、乳がんの精密検査に行ってきました。

病院付属のブレストケアセンターに行ったのですが、
20代、30代の方がかなり来ていて、驚いてしまい
ました。

食生活の欧米化の影響なのでしょうか?

マンモや触診では一切問題がなかったので、それほど
大変な症状だとは思ってはいなかったのですが、
それでも緊張しました。

医師のPCの画面上の申し送りを盗み見したら、
「乳腺炎だと思われるが、念のために再検査の方に
回しました」とありました。

人間ドック受診時の乳がん検査技師2名にも
「この影はしこりではないので大丈夫ですよ」と
言われていて安心していたら、要精密検査と指示があった
ので、この分類(要精密検査にチェックされた)に
少しオカンムリの私。それならば、要精密検査では
なくて、要再検査で充分じゃないのおお???と
思ってしまいました。←人間ができていませんね!

まあ、この位脅かさないと、検査に来ない人もいるので
しょうか?

今回も検査にひっかかった影は映っていたので、
「経過観察にしましょう」といわれましたが、細胞診を
してもらいました。
年齢で代謝が悪くなった為に、乳腺に溜まった脂でした。
100%乳がんではないですよ!と言われて、ホッと
しました。

今回の件は驚かされましたが、健康や人生を考えるのに
良い経験でした。

土屋さんやご家族・スタッフの皆様も、定期健診は
ぜひ受けてくださいね。

ご心配をいただき、ありがとうございました。



誰でも好きで病気になる人はいませんが、早期発見・早期
治療をすれば、病気を悪者扱いせずに、仲良く共存できると
思います。

乳がんなどの婦人科系の病気は、治療で生理を何年間か
止めるようになる事もあるので、子供を望んでいる人には
辛い選択を余儀なくさせられる事もあるでしょう。

そういう辛い思いをしない為にも、ぜひとも若いうちから、
皆さんに定期健診を受けて頂きたいと思っています。

本当に20代、30代の人が多くて、ビックリしました!!
大病院のブレストケアセンターなので、出産後の乳腺炎など
近所の病院で治るような患者さんは来ないところだし、、、。
食生活の欧米化は怖いですね。


定期健診や早期発見の大切さを知ったお言葉です。

メールを掲載させて頂きまして、ありがとうございました。

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2008.03.06

乳がんの疫学と薬物療法まで(5)

「乳がんの疫学と薬物療法まで(5)」です。

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転移性乳がんの予後。

ケア、QOLを考える。

(死亡率が高いので、やはり早期発見、早期治療が大切だと思います)


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乳がんの薬物療法

(クリックすれば、大きくなります)

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エストロゲンによる乳がん細胞増殖促進機構

(乳がんは、エストロゲンの長期の曝露により促進される)

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おもな乳がん内分泌療法の作用点

…今回は、アロマータゼ・インヒビター(AI剤)の勉強会だったのでした。


不妊治療においては、適応外の使い方になりますが、
閉経前の女性において、ロー・レスポンダー(卵巣反応不良例)で、
レトロゾールを使って排卵させる方法があります。

これは、アロマターゼ・インビター(阻害剤)により、

エストロゲン低下 ↓

FSH(卵胞刺激ホルモン) ↑


となり、卵胞の発育を促進させる方法です。


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閉経前の治療戦略


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もっと分かりやく説明しますと、


視床下部

脳下垂体


ここの反応では、Gn-RH(ゴナドトロピン・リリースホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン)をアゴニスト、つまり沢山反応刺激することにより、一時的に機能が更新するが(フレアー現象)、数日後にはダウン・レギュレーションを起こして、脳下垂体からのFSHとLHの分泌が減ります。その結果、卵巣への脳からのホルモンの働き(FSH)が弱まるので、卵巣が休まって、エストロゲンの分泌が減るのです。

(私の店頭での漢方相談の場合には、体外受精の場合でもホルモンの話を詳しく説明しているので、大変に好評です)

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抗エストロゲン製剤


ERのレセプターを占有、阻害して、エストロゲンの分泌を減らす。↓

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2008.03.04

乳がんの疫学と薬物療法まで(4)~ピンクリボン~

「乳がんの疫学と薬物療法まで(4)」です。

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乳房の発生部位(1)

小葉に発生したものは「小葉癌」

乳菅に発生したものは「乳菅癌」

乳菅開口部付近に発生したものは「パジェット病」


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乳房の発生部位(2)

乳癌の発生部位は、外部の上部(C領域)が多い

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乳腺腫瘍の年齢分布

20~35歳 線維腺腫(良性)

30~45歳 乳腺症(良性)

40~60歳 乳がん(悪性)

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乳癌の好発転移部位

乳がん→骨、肝臓、肺


~ちょっと休憩~

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ピンクリボンって何?

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発症と歴史

~80年代にアメリカからスタート

シンボルであるピンクリボンは、まだ乳がんについての研究が浅かった1980年代のアメリカの小さい町で、乳がんで死亡した女性の母親が、この女性の娘である実孫に、同じ悲しみを繰り返さないよう、願いを込めて手渡したものがピンク色のリボンであったことに端を発する。

この行為が乳がんの恐ろしさと、乳がんについて知り、考えるきっかけをこの町の住人に広め、その後、草の根的な活動により、アメリカ全土はもとより、ヨーロッパ、アジアなど全世界的に広まった。


「乳がんの早期発見、早期診断、早期治療を啓蒙する活動です。」

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日本におけるピンクリボン

~東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけ~

日本でのピンクリボン運動が一般的に認知されるようになったのは、2000年代に入ってから。2000年10月に日本最大の乳がん患者支援団体である「あけぼの会」が東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけ。

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ピンクリボンの活動

~様々な活動がなされています~

○スマイルウオーク

○開催都市(市民講座、無料検診など)

○チャリティーオークション

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2008.02.27

乳がんの疫学と薬物療法まで(3)

こんにちわ。

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

山形の今日は朝から冬のような本格的な雪が降っております。

九州の方からは、「梅の花」が咲いた話題を聞き、
関東、西日本の方からは、花粉症などの話題を聞き、
そして北東北の方とは同じ「雪」について語りあう今日この頃です

三寒四温の折柄、みなさまご自愛くださいませ。

さて、

乳がんの疫学と薬物療法(2)」の続編、今日は第3回目です。

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良性乳腺疾患の既往:良性の乳腺疾患の既往と乳がんの関連が指摘されている。

良性の乳腺疾患が生検で確認された症例で乳がんのリスクが高い。

良性の乳腺疾患ががん化することはない。

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乳がんのリスクファクター

社会的階層:職業婦人や社会階層上位の女性の方が、乳がん発症のリスクは高い。


            食生活


結婚       教育・社会階層     初産年齢


             妊娠


密接な関係があり、これらを介しての影響の可能性が高い。


(高学歴で社会で活躍する女性のかたは、結婚が遅くなりがちで、その結果、初産年齢も上がり、エストロゲンの曝露が多くなるので乳がんになりやすいのではないか?という仮説)

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乳がんのリスクファクター


因子 高危険群 低危険群   


○年齢は、高齢のほうがリスクが高い。若い年齢はリスクが低い。

○住まいは、都市部のほうがリスクが高い。農村部はリスクが低い。

○未婚のほうがリスクが高い、既婚のほうがリスクが低い。

○高齢で30歳以上の出産がリスクが高い、20歳以下で初産の方はリスクが低い。

○出産数が多いほどリスクが低い、出産数が少ないとリスクが高い。

○授乳をしていないとリスクが高い、数年の授乳はリスクが低い。

○初潮年齢が11歳以下と早ければリスクが高い、16歳以上と遅ければリスクが低い。

○閉経年齢が55歳以上と遅ければリスクが高い、44歳以下と早ければリスクが低い。

○身長が高いとリスクが高い、標準の身長はリスクが低い。

○閉経後肥満は、リスクが高い、閉経後標準体重はリスクが低い。

○良性乳がん疾患既往があれば、リスクが高い、なければリスクが低い。

○乳がんの既往があれば、リスクが高い、なければリスクは低い。

○乳がんの家族歴があれば、リスクが高い、なければリスクが低い。

○放射線被爆が頻回または高線量であればリスクが高い、なければリスクが低い。

○アルコールは、日本酒1合のアルコール量で、週4回以上であればリスクが高い、なければリスクが低い。

○野菜、果物をあまり食べないとリスクが高い、野菜、果物を多く食べているとリスクが低い。

○魚を食べていないとリスクが低い、魚を食べているとリスクが低い。

○運動をしていないとリスクが高い、週に2回以上規則的な運動週間があればリスクが低い。

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2008.02.22

乳がんの疫学と薬物療法まで(2)

昨日の「乳がんの疫学と薬物療法」までの続きです。

だんだんと山形も雪解けの気配で、道を歩いていると、
雪解けの音を聞くことが多くなってきました。

さて、本題に入ります。


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乳がんのリスクファクター

内分泌環境:長期の高い血中エストロゲンレベル曝露により、乳がん発症率は増加する。


○初経年齢が早い

○閉経年齢が遅い

→一生のうちに月経回数が多いほど、発症のリスクが増加する。


○妊娠回数が少ない
また、初産年齢が30歳以降では26~27歳の16倍に危険率が上昇する。


→未経産婦と経産婦では未経産婦で発症のリスクが増加


○外因性エストロゲンの摂取

→ホルモン補充療法(HRT)は乳がんの発症リスクを高める可能性があり、ルーチンに長期間HRTを実施すべきではないとされている。

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乳がんのリスクファクター

遺伝・家族暦:乳がん家族暦がある、BRCA1、BRCA2の遺伝子変異であり、乳がん発症率は増加する。


なし

母親

姉妹

母親と姉妹


(近親者に、乳がんの患者さんがいたら、定期的な検診が大切だと思います)

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乳がんのリスクファクター


食事

◆アルコールについては、1日2杯以上でリスクファクターとしての影響があるとされている。

◆脂肪摂取については明らかではないが、閉経後女性ではBMIが大きいほど、リスクが高いことが報告されている。

これらは生活習慣、食事などの影響もあり、見極めは困難とされている。


喫煙

◆影響がない、またそれとは逆にリスクを下げるという報告があり、一致していない。

◆ただし最近では、閉経前ではリスクを上げるとの報告がある。

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2008.02.21

乳がんの疫学と薬物療法まで

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昨日の夕方18時半より、寒河江市立病院での薬剤師研修会がありました。

乳がんの話題でしたので、勉強した内容をアップしたいと思います。

いつもは、不妊や漢方などの話題が多い「ココログ版土屋薬局 中国漢方通信」ですが、今回は40代以降に増えてくる「乳がん」の話題ですす。

女性の方のみならず、男性のほうもパートナーのためにも
有益であろうという見地から判断して掲載します。

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今回は、最終的にはアロマターゼ・インヒビターという
抗がん剤の種類を勉強するのですが、
その前に女性のホルモンの働き、とくに閉経後のホルモンの流れの復習です。

閉経前と閉経後は、卵巣のエストロゲン(E2)の働きが違ってくるので、
ホルモン全体の流れも変わってくるのです。

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40代以降、エストロゲンの分泌は減ってくることを表すグラフです。

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初期の乳がんは、ホルモン依存性(エストロゲン依存)によるので、
臨床上、エストロゲン依存下では乳がんは増殖していく。

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米国人、米国日系人、英人 > 日本人

乳がんになる民族差です。

これには、欧米化された食事が、乳がんに影響を与えているだろうと
示唆されます。

和食は、健康に大切なものですね。

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都道府県により、乳がんに罹る頻度が変わってくる。

あなたのお住まいの地域はいかがでしょうか?

(当ブログの写真は、すべてクリックすると拡大しますので、詳しくご覧になれます)

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乳がんのリスクファクター

1)内分泌環境

2)社会的階層

3)食事

4)喫煙

5)人種差

6)良性乳腺疾患の有無

7)遺伝、家族暦


次回に続きます。

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