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2007.06.12

子どもを持つことの意味と不妊治療の現実

おはようございます。

土屋です。


友人から「今回の不妊学会の大野先生の講演は、何度か聞いたことがあり、とても役立ちます。

さて、もう一人の先生の講演とは一体どのようなものだったのでしょうか?」

と指摘がありました。


友人以外にも、熱心なお客様からは、大野先生の講演「うつ病を理解する:認知行動療法の視点から」の読後の感想がありましたので、評判が良いようです。


さて今回は、2人の著名な精神科医の講演を聞きましたが、ブログの構成が悪かったようです。

再度、皆様の目につくように記事を作り直します。


今回は、最新の医学知識の情報と、カウンセリングの重要性について学んだ貴重な3日間でした。

もう一人の精神科医の先生の講演


「子どもを持つことの意味と不妊治療の現実」


子どもを持つことの意味と不妊治療の現実

子どもを持つことの意味と不妊治療の現実


野間先生は、精神科医にしては珍しく心療カウンセリングを行っています。

神奈川子ども医療センターの創設にも関わりまして、「女性と子どもの応援団長」としても知られています。


日を決めて、カウンセラーに任せないで、ご自身自らが、1回に50分の精神療法もされているそうです。


(精神科医の先生方は日常診療で忙しくて、産婦人科の先生が自分の患者さんを精神科へ紹介しても、患者さんの話を聞いてくれないこともあるそうです。

ですから、精神科医の仲間同士で話しているときにも、野間先生が自らカウンセリングを行っているとお話しすると、とても驚かれて、羨ましがられるそうです。

医療的には、カウンセラーを雇って、それらを任せないと経済的に厳しくなるという矛盾があるそうです。

野間先生が、開業した理由の一つも「経営よりも自分が納得した医療」を行いたいからだそうです。

最初の段階から、カウンセラーに任せて、最後の処方の数分間だけ精神科医が診察する方法だと、本来の患者さんの悩みなどを見抜けにくいとのことです。

最初から、患者さんと向き合うことで、質問への回答への表情から、相手の心を見つめていくそうです)


野間先生は、ピル解禁運動にも加わりました。

日本は、30年遅れているそうです。


というのも、横浜で医療を行っていたときに、たくさんの望まれないで生まれてきた子どもたち、施設へ預けられる話を見てきたり。

また堕胎でも、入院もさせないて日帰りで、ケロッと行ってきて何事も無いようになり、避妊法についての知識も教えずに、次々と堕胎を繰り返す少女なども見てきたことがあって、「ピル導入」に積極的に取り組んでいて、野間先生のクリニックでも、女性の応援団をするためにピルを販売しています。


生めない私、そして貴方


Aさんの症例


姑に何時までも子どもが出来ない事を責められ、病院で検査をするように勧められ受診。


うつ状態になって来院。


以前から、統合失調症でかなりの薬を服用していたので、野間先生は子どもをつくることに賛成しませんでした。


その理由は、


1)胎児に影響恐れ

2)産後の精神的ショックが大変


です。


Aさんに限らず、精神的に安定しないかたの場合には、すぐに子どもをということも難しいそうです。


さてAさんは、驚いたことに夫の検査や治療をしていなかったので、ちょうど近くに中医の先生が開業していたので、整体と漢方治療を勧めて半年後にAさんは妊娠しました。

(今は、その中医の先生は帰国していています。「腎」を強める治療を行ったとのことです)


Bさん

不妊の相談で夫婦で行って、検査結果、主人に問題があることが分かり、不妊治療を勧められたが、なんとなく腑に落ちないために、以前にパニック発作の治療で関わった野間先生に相談に来ました。


みんなが自然に授かっている子どもを、自分が持てないことの悲しみを語り、さらに夫への激しい怒りを吐露しました。


なぜ自分だけがそんな苦しみを味わうのか、夫を責め、自分が犠牲者だと感じて混乱しました。


顕微授精でしか授からないことが分かり、腑に落ちるまでには時間が必要でした。


夫との関係を見直すことから始めました。


「子どもが出来ないのは、夫のせい!」


それでは、夫を捨てて別な人と結ばれたいのか。

夫との関係はそういうものだったか、Bさんは苦しみました。

自問自答しました。


数回の精神療法の後に

「いや子どもが云々ではなくて、彼を愛しているし、彼は自分には必要な人。

子どもが欲しいなら、不妊治療をすればよい。

もし子どもが授からなくても夫婦でいることは大切なこと」

と悟りました。


「彼こそ辛い思いをしているのだと知って、その悲しみを共有して乗り越えていきたいと思います」

と穏やかな表情で語ったそうです。


次に私が印象に残った内容です。


不妊カウンセリング学会の講演のスライド

不妊カウンセリング学会の講演のスライド title=

不妊カウンセリング学会の講演のスライド

このTAの哲学は、私が愛読している本にも書かれている内容で、驚きました。


貴方も私も人間としての存在そのものに価値があり、重要で尊厳がある。

人は自分の運命を決め、そしてその決定は変えることが出来る。


<自分の感情・思考・行動に責任がある>


不妊カウンセリング学会の講演のスライド


私も励みになる言葉です。


不妊カウンセリング学会の講演のスライド

PACのモデルです。


今後、私も勉強していこうと思いました。


「こころ」をこのように解剖して分析できるのですね。

驚きの知識です。


P 親 ペアレントの意味

A 成人 アダルトの意味

C こども チャイルドの意味


子どものころからの育ち方に影響している。


PACは、12歳までに出来上がる。


「親」 

支配の親 自分を律する。

養育の親 虐待を受けた人は、そのモデルが分からない。


「成人」


「こども」


適応の子ども


大人好みになろうとする。

我慢する子ども。

自由なこども


エネルギー。

活気。


生殖エネルギーでもあるのではないか。

うつの人は、「自由なこども」がしぼでしまい、性欲が無くなってくる。


SEXは、「自由なこども」でお互いが気持ちが良いことが最高で、その結果 子どもが生まれれば一番と良いでしょう。


「適応の子ども」のSEXは、子作りや治療になってくるので、意味が違ってくる。



赤ちゃんは、言葉を覚える前に、自分の人生をA1の直感で自分の人生のシナリオが分かる。


目が見えなくても、赤ちゃんは自分の父親が分かる。

オーラで分かるのではないか?



妊娠したら、子どもの作り方はどうであれ(自然妊娠や治療による子どものこと)、腑に落ちて大事にして、納得して育てていくことが大切。


ストローク


その人の存在を認める行為をストロークと言う。


☆言語的・非言語的・身体的→(SEXは大事)

☆ポジティブ・ネガティブ

☆無条件・条件付


ストロークポシェット


自分に与える

受け取る

ねだる

断る

アメリカ人は、ストロークが得意だ。


有森さんが、アメリカに行ってから、「自分を応援したい」と言っていたのは、アメリカでストロークを勉強したきたに違いない。


ストロークは、家庭で学習することができる。



もしあなたがそっと優しく私に触れてみたら、もしあなたが私のほうを向いてほほえみかけてくれたら、もしあなたが時々、あなたが話す前に私の話しに耳を傾けてくれたら、私は成長するだろう。本当に成長するだろう。

ラッドレー9歳 <自己実現への道>


ということで、書ききれませんが、また一つ私の「人生の財産」になる講演を聞くことができました。

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