陰部の痒み(カンジダ膣炎など)と湿熱(しつねつ)の関係は?
最近、カンジダ膣炎や陰部の痒みなどの相談がまた増えてきました。
中医学的には、陰部の痒みやカンジダ膣炎は、「湿熱(しつねつ)」と考えます。
「湿熱(しつねつ)」とは、
「湿(しつ)」→つまり、陰部でネバネバ、治りにくいイメージ。
ジメジメしている感じ。
「熱(ねつ)」→熱感、ほてり、患部の赤み。
赤い、痒い、チクチクです。
この上記のイメージが合体したものが、「湿(しつ)」+「熱(ねつ)」で「湿熱(しつねつ)」になります。
(「夏に多い湿疹」「夏に多い湿疹2」も参考になりましたら、幸いです。)
「湿(しつ)」は、陰邪(いんじゃ)でこれは、下に降りる方向性、下方向性がありますので、下半身の陰部の痒みや、または水虫などの原因になりやすいです。
膝の痛みや足腰の痛み、しびれなどの「痺証(ひしょう)」にも、「湿(しつ)」が関連することも多いです。
日本のような、「島国」は四方八方に海で囲まれているので、この「湿(しつ)」による影響が大きいので、これらの病気にもなりやすいのです。
この「湿(しつ)」を乾かそうと、漢方では、たとえば「温める」処方を選んだとすると、逆に「湿熱(しつねつ)」の合体した「熱(ねつ)」が返って悪化することが多いのです。
ジメジメした患部をドライヤーで温めようとしても、かえって熱感がひどくなる。
そのようなイメージでご理解頂けますでしょうか?
舌ベロを見ますと、往々にして、舌の奥に白い苔、または黄色っぽい苔が厚くなっていることが多いです。
舌の奥は、中医理論では下半身の「腎、膀胱系」のエリアです。
下半身に「湿熱(しつねつ)」が溜まっているのです。
そうです、そうです、膀胱炎、尿道炎になりやすいときも、同じ考え方で治し方を考えていきます。
「湿熱(しつねつ)」の邪気(じゃき)の老廃物を、これは頑固でなかなかと解消しにくいですが、(だからカンジダ膣炎、陰部の痒みも長期間治らないのです)、適切な漢方を選んで解消へと持っていきます。
当店では、カンジダ膣炎に2年ぐらい罹っていた方が、漢方を1年くらい服用して、その後 痒みも治まって、妊娠、出産された経験があります。
「湿(しつ)」を乾かしながら、同時に「熱(ねつ)」を降ろす、冷やす。
そのようなイメージで、漢方を組み立てていくことが多いです。
日常生活では、辛いものやタバコ、お酒、味の濃いものなどの、「肥厚甘味(ひこうかんみ)」は避けるべきです。
今日は、「湿熱(しつねつ)と陰部のカンジダの痒み」の話でした。
参考になりましたら、幸いです。
「慢性化していたカンジダ膣炎が漢方で改善しました。」こちらも参考になりましたら、幸いです。
<2008年1月19日撮影 東根市観音寺 雪景色にミラー>
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