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2008.10.15

「第23回不妊カウンセラー養成講座に参加してきました」…諏訪マタニティクリニックの根津八紘先生の講演

おはようございます。

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

今朝、毎月5日と15日に発行しているメールマガジンを30分遅れながらも完成させました。

間もなく、10時半には読者の方々にお届けになりますが、今回は第23回不妊カウンセリング学会に参加した感想を述べていますので、ここココログに転載します。

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●●  1.巻頭コラム 「第23回不妊カウンセラー養成講座に参加してきました」
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 「第23回不妊カウンセラー養成講座に参加してきました」


第23回不妊カウンセラー・体外受精養成講座に
さる2008年10月11日、12日(土日)と参加してきました。

私は不妊カウンセラーに養成講座に3回出席して、
50問の筆記試験と聖路加の佐藤孝道先生たちからの
口答試験も受けて合格したのですが、
その後も新たなる知識の習得と次回の更新のためもあり、
参加を続けています。

今回の講演内容は、以下のようでした。

○1日目2008年10月11日(土)


「欧米の状況から見たART時代における一般不妊治療の位置づけ」 

国際医療技術研究所 荒木重雄先生


「不妊カウンセリングに求められているもの~コミュニケーションスキルとその対応例~」 

あかぎけいこカウンセリングルーム 赤木恵子先生


「不妊を家族の視点から考える」 

東京大学医学系研究科 山崎あけみ先生


「不妊カウンセリングに必要な臨床遺伝学の基礎知識」 

聖路加国際病院 佐藤孝道先生


「生殖医療の将来─私の夢と現実からみなさんに伝えられること」 

諏訪マタニティクリニック 根津八紘先生


○2日目2008年10月12日(日)


「体外受精コーディネーターの役割─16年間の実務経験で得たこと」 

いわき婦人科 前田真知子先生


「着床前診断─その目指すもの」 

慶應義塾大学 産婦人科 松岡浩先生


「卵管鏡下卵管形成術─一般不妊治療の最先端」

水戸赤十字病院 板垣智昭先生


「うつ診療の最新の動向─よりよき不妊カウンセリングのために─」

坂元薫先生 東京女子医科大学 神経精神科

この中で、印象に残ったのは、マスコミなどで有名な
諏訪マタニティクリニックの根津八紘先生の講演でした。


根津先生の講演は、ゆっくりと淡々と話す口調に
やさしさを滲ませながら、ぐいぐいと引き込むような話でした。

テレビなどで戦っているときの映像のインパクトが強っかたでしたから、
怖い先生かと思ったら、誇り高き信州人、諏訪の自然を愛する、
絵も描くことが好きな素敵な先生でした。

先生は、自分のこの世間を騒がすような性格は、
曲がったことが嫌いな「信州人の気質」の血を引いているのではないか、
ともおっしゃっていました。


私の手元には、講義要録や会場で発売されていた先生の本もあり、
昨日のうちにすべて読破していますので、根津先生の人となり、
考え方、診療の記録も大体分りました。

講演を聞きながら、私が簡略的にメモした内容をログしたいです。

「生殖医療の将来─私の夢と現実からみなさんに伝えられること」 

諏訪マタニティクリニック 根津八紘先生


1:バッシングの話

ジェンダーはバッシングを受けながらも
天然痘を撲滅した。

新しい技術、医療にはバッシングがつきもの


2:減胎の話、減胎手術の話

HMGという排卵誘発の注射によって、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になったり
多胎になる。

過去に4胎で、私が産むことを勧めた結果、
1人の赤ちゃんは脳性麻痺になった。

深く反省したが、その患者は
「先生を恨んでいません。3人の子供たちも含めて、みんなであの子を育てていきます」


その後、4胎妊娠の患者さんがいて、減胎手術の結果、
2胎となり無事に出産できた。

4人中絶するよりも、2人の命を救えた。

でも、発表したらまたバッシングが起きた。


3:神の話

「神ってなんだろう?」

「倫理とはなんだろう?」

「根津は神を冒涜している」

私は2人の命を助けた。

神様はは、科学する英知を私たちに授けたのではないか?

手の指がこのように自由自在に動くのは、確かに神のお陰ではないか?


日食は昔は、神の仕業と言われたが、
科学が進歩して理由が分れば、神様の仕業では無くなった。

都合の良いこと、分らないことは「神様」のせいにするが、
科学技術の進歩に従い、その意味では「神様の仕業」は
減ってきている。

きっと神は、天高く私たちを見つめていて、
科学技術などの進歩を見守っているに違いない。

目の前の患者さんのために。


かつて9胎妊娠があり、7胎を減胎して、
双胎として出産した。

かなり大変な手術だった。

3:非配偶者間体外受精


早発閉経(POF)の患者さんがいた。

あきらめるようにと伝えた。

「あなたには卵がもうありませんから、人の卵を使うしか妊娠できません」

本当にこの言葉は、諦めるようにと伝えた言葉だった。

ところが3日後に、その患者さんは妹さんを連れてきて、
「妹は子供が2人いますし、卵子を提供したいと申しています」

この言葉を聞いてから、卵子提供による非配偶者間体外受精を行った。

生まれてきた子供は、養子縁組にします。


発表したら、また猛烈なバッシングが起こった。

今では、94組。135人の赤ちゃんが誕生しています。

4:代理出産

ロキタンスキー症候群のうら若き乙女の患者さんがあるときやって来た。

「私は子宮が無いんです。
でも付き合っている彼氏がいて、彼氏は子宮が無い私と結婚しよう。
ずっと一緒にいよう。と言ってくれます。
でも、彼氏は子供や動物が好きだし、他の人と結婚すれば、
子供も出来る家庭が作れるし、そしたら私は彼氏と別れたほうがいい。
でも、私も幸せになりたくって…」

この言葉を聞いて、すぐに代理出産も行えるように、
体外受精の施設を併設させた。


子宮がんや子宮筋腫などで子宮を無くした方などへ、
15例で8例成功。10人の子供が誕生。


(著者注:「代理母出産」と「代理出産」は意味がまったく違います)

5:卵子セルフバンク

35歳前の卵子を凍結していく。

やがては、卵子提供にもつながっていく。


6:着床前診断

習慣流産の患者さん。

染色体転座の患者さん→7回流産した→着床前診断で双子の赤ちゃんを出産した。


12組の方が出産。2組が現在妊娠中。


7:高齢不妊の話


8:子宮頚部ガンのパピローマウイルス

ワクチンはアメリカで普及している。

日本では普及していない。

より多くの患者さんを救うためにも、一刻も早く国は認定すべきではないか。

バイアグラよりも、ワクチンを認めたほうが良い。

これは「男尊女卑」ではないか。


9:高齢結婚の話


結婚できない、しにくい社会体制になっているのではないか?

最後に、根津先生がご自身のネクタイを指差して、

「このネクタイは、娘が私にくれたものです。
よく見ると猿の絵が書かれています。
信州の山猿が都会に講演に来て、里に帰っていったと思ってください」

と笑顔で講演会を終了されました。


奥様と娘様たちからの支えと、そして「目の前の患者のため」をモットーとして、
誇り高き信州人の血が根津先生を成しているんだ、と思いました。

私の車のお守りは、「諏訪大社」のお守りですが、
また諏訪大社や毒沢温泉などの諏訪へも旅したいと思いましたし、
山形の田舎の薬局の一薬剤師として、私もお客様のために
役立てる人間になりたいと思いました。


薬剤師、国際中医専門員、不妊カンセラー 土屋幸太郎

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<2008年10月11日 東京虎ノ門ニッショーホール>

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<2008年10月12日 東麻布からの眺め>

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