長崎の思い出と静岡講演会に向けて
先日、11月14~17日と長崎に講師としてお呼びの声がかかりましたので、
人生二度目の長崎県を体験してきました。
講演会は無事に終了し、12人の薬局の先生方にお話させて頂きまして
「想像以上に話が良かったわよ」とか
「来年もまた長崎に来て下さい!」と
評判上々でしたので、頑張って準備していって良かったなあと思う今日この頃です。
長崎から帰ってきてからは、予想通りに仕事が溜まっていましたので、
今までこのココログでコラムを書くこともままならぬ状況でした。
現在の私は、来月12月7日(日)に今度は静岡県で「婦宝当帰膠」などを中心として、
漢方の講演会に呼ばれていますので、再度パワーポイントで資料を作成していたところです。
大体、講演の資料は出来上がり、昨日は漢方相談会をしていたのですが、
来店されたお客様にも、パワーポイントをお見せしまして、
みなさま食い入るようにご覧になって頂けましたので、個人的には嬉しかったです。
さて、長崎県で私が体験した写真をお見せしましょう!
雲仙地獄の観光です。
<2008年11月14日 雲仙地獄>
火山地でもうもうと温泉が沸いています。
今から400年前の1600年代の時代は、
日本ではキリスト教を邪教として迫害していました。
「転べ、転べ」と言いながら、この雲仙の熱湯で拷問にかけたのです。
よく車の無い時代に、小浜の港に船で漕ぎ着いてから、
この雲仙の山まで拷問のために上がって来た事だと、
びっくりしてしまいます。
「権利はない。たしかに権利はない。私はあの声を一晩、耳にしながら、もう主を讃えることができなくなった。私が転んだのは、穴に吊られたからではない。三日間…このわたしは、汚物をつめこんだ穴の中で逆さになり、しかし一言も神を裏切る言葉を言わなかったぞ」フェレイラはまるで吼えるような叫びあげた。「わしが転んだのはな、いいか。聞きなさい。そのあとでここに入れられ耳にしたあの声に、神が何一つ、なさらなかったからだ。わしは必死で神に祈ったが、神は何もしなかったからだ」
「黙りなさい」
「では、お前は祈るがいい。あの信徒たちは今、お前などが知らぬ耐えがたい苦痛を味わっているのだ。昨日から。さっきも。今、この時も。なぜ彼等があそこまで苦しまねばならないか。それなのにお前は何もしてやれぬ。神も何もせぬではないか」
司祭は狂ったように首をふり、両耳に指をいれた。しかし、フェイレラの声、信徒の嘆き声はその耳から容赦なく伝わってきた。よしてくれ。よしてくれ。主よ、あなたは今こそ沈黙を破るべきだ。もう黙ってはいけぬ。あなたが正であり、善きものであり、愛の存在であることを証明し、あなたが厳としていることを、この地上と人間たちに明示するためにも何かを言わねばいけない。
遠藤周作さんの「沈黙」 新潮文庫214ページから引用させて頂きました。
ありがとうございました。
羽田発、長崎行きの飛行機の中で、最後の章をずっと読み進めていました。
「よしてくれ、よしてくれ、主よ、あなたは今こそ沈黙を破るべきだ!」
のセリフなど、グッと心が「沈黙」のドラマチックな世界に
引き込まれていったのでした。
ここでお亡くなりになられた殉教者の方々のお名前です。
「沈黙」にでてくるアントニオ石田神父の名前もあり、
本で読んだことがそのまま現実を因襲していたことに改めて
「沈黙」が問いた意味の深さに考えさせられたのでした。
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