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2009.01.13

1973年のピンボールと金持の御曹司

こんにちは、土屋です。

今日の山形は雪は降らず、晴天から曇りの天候となっています。


さて、読書日記です。

最近読んだ本。


村上春樹さんの「1973年のピンボール」と
フィツジェラルド短編集の「金持の御曹司」です。


「風の歌を聴け」を昨年にやっと読破しましたので、その続きの作品である「1973年のピンボール」を読みましたが、この小説はとても面白かったです。

処女作に続き、ジェイズ・バーや鼠が登場しますし、双子の女の子たちと主人公である僕の話が交差して、とても魅力的なんです。


鼠は肯き、三センチばかりグラスの底に残っていたビールを飲み干した。

レコードが終わり、ジュークボックスがカタンと音を立て、そして店が静まり返る。

「あんたの言うことはわかりそうな気がするよ」でもね、
と言いかけて鼠は言葉を飲みこんだ。

口に出してみたところで、どうしようもないことだった。

鼠は微笑んで立ち上がり、ごちそうさま、と言った。

「家まで車で送ろう」

「いや、いいさ。家は近くだし、それに歩くのが好きなんだよ」

「それじゃおやすみ。猫によろしくね」

「ありがとう」

「1973年のピンボール」 講談社文庫 村上春樹さん 97ページから引用させて頂きました。ありがとうございました。


ここのマスターと鼠の会話の「それじゃおやすみ。猫によろしくね」という会話がつぼにはまりまして、他にも好きなところは沢山あるのですが、あえてこちらの文章を紹介させて頂きました。

「エゴ」と「セルフ(自己)」があるのならば、「エゴ」が傷つかないように、「セルフ」の防波堤を建てて「エゴ」を守りつつ、どこかに逃げていこうとする鼠に自分を見るようで、とても共感できる作品でした。

双子の女の子たちも不思議な存在で、いいなあ~、と漫画を読むような感じで物語を楽しめました。


フィッツジェラルドの「金持の御曹司」は、こちらもバリバリ共感できる作品で、その作品に表れる主人公 アンスン・ハンターは実に魅力的でした。

最近、車に乗っているときに素敵なFM局を発見しまして、FM Vigoという山形市のローカルFMなのですが、インターFMという外国人用のFMからの局を沢山流しているので、洋楽好きの私に喜ばしいことで、ラジオ聴きながら読書に没頭することができました。

ビジネス書よりも、小説読んでいたほうが人間の心理も分るし、知らない世界も体験できるので、今更ながらに小説っていいなあと思っている今日この頃です。(笑)

アンスン・ハンターは「エゴ」を守ろうと「セルフ」の自己の防波堤も築き上げようとするのですが、鼠と同じくお酒が好きなので酒で失敗しやすく、二重的な性格もあり、鼠よりも自分の「エゴ」を消耗しやすく、崩壊に向かって生きていくような人生を歩んでいるんだなあと思いました。


<結論>

鼠→「エゴ」を守りつつ、迷い、そして逃げていく。

アンスン・ハンター→「エゴ」を守りつつも、二面性のために誤解されやすくもあり、「セルフ」の自己が崩壊していきやすい。

はい、今回は2作品の感想でした。文学って素晴らしいですね。ではでは~。

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