« 不育漢方。不育症の方の妊娠、ご出産 | トップページ | 「薬局冥利に尽きると思いました。」 »

2009.12.09

子宮筋腫の不正出血タイプ別漢方対策。気血不足、実熱

おはようございます。

土屋です。

昨夜は午後8時から午後9時半ごろまで、ギンガネットでの中医不妊症、子宝漢方相談のテレビ電話勉強会がありました。

長崎の先生の症例を各地の先生方で検討して、中医学講師の先生がチューターをしました。

他の漢方薬局の先生がどのような相談をしているとか、先生方の考え方を聞くことは大いに勉強になりますので、今後との店頭に役立てていきたいと思っています。


簡単なまとめ


子宮筋腫は不正出血になりやすい。


1)気血不足タイプの不正出血には、

帰脾錠+田七人参


2)実熱タイプの不正出血には、

涼血清営顆粒+二至丹



○弓帰調血飲第一加減は、当帰芍薬散も桂枝茯苓丸も配合されている。

養血活血、行気活血、温通止痛、健脾和胃

処方の香附子、益母草は調経作用がある。


○爽月宝は、ピクノジェノール+鎮痛作用

婦宝当帰膠の併用が効果的。



子宮筋腫


漿膜下筋腫…漿膜面への突出>50%

筋層内筋腫…漿膜面への突出<50%、内腔を変形しない

粘膜下筋腫…内腔を変形する


子宮内腔に影響があるような子宮筋腫は妊娠率や着床率が悪い。

不妊の原因になりそうな子宮筋腫→粘膜下筋腫、5cm以上の筋腫、子宮頚管や卵管に近い筋腫、子宮内腔に変形がなくてもART(体外受精)では子宮筋腫があるほうが成績が悪い。


子宮筋腫:下腹部のしこり、冷痛、腰膝がだるい、倦怠無力、月経後期、量少、色黒っぽい、血塊、おりもの多い、水っぽい、手足の冷え、舌淡紫、舌薄白

腎陽不足、寒凝、淤血痰濁

温補腎陽、活血消癥、兼利湿化痰

方剤:参茸補血丸、爽月宝

桂枝茯苓丸、弓帰調血飲第一加減



子宮筋腫の兼証の出血について


子宮筋腫の兼証1 (出血)

出血だらだら続く、色淡い、質薄い、血塊

倦怠、四肢無力、舌淡暗、舌薄白

気虚出血

益気摂血(えっきせっけつ)、化淤


帰脾湯、田七人参



子宮筋腫の兼証2 (出血


月経先期、量多、色紅

心煩、口渇、便秘、舌紅

弁証:血熱出血

涼血止血(りょうけつしけつ)


涼血清営顆粒、二至丹



子宮筋腫の兼証3: (月経痛) 寒凝淤血(かんぎょうおけつ)

下腹部冷え、月経後期、量少、色暗、血塊、月経痛が激しい

手足冷え、色淡紫、苔薄白

暖宮散寒、化淤止痛(月経期)

温経湯、弓帰調血飲第一加減、爽月宝



子宮筋腫の兼証4: 月経量少、後期、あるいは閉経

顔色蒼白、あるいは萎黄、唇甲色痰、めまい、動悸、息切れ、手足しびれ、:舌痰

血虚

養血調経、消癥

婦宝当帰膠、桂枝茯苓丸、参茸補血丸



<子宮筋腫の周期療法の漢方対策>

全周期活血化淤:弓帰調血飲第一加減、爽月宝

卵胞期:杞菊地黄丸、二至丸

黄体期:参茸補血丸など

補腎養血調経も大切


子宮筋腫の/不妊と漢方こちらのスレッドも全体的に子宮筋腫の漢方対策、漢方体験談まとまっています。参考になりましたら、幸いです。

柿の実

<2009年12月7日 柿の実>

|

« 不育漢方。不育症の方の妊娠、ご出産 | トップページ | 「薬局冥利に尽きると思いました。」 »

不正出血|不妊と漢方薬」カテゴリの記事

子宮筋腫|不妊治療と漢方薬」カテゴリの記事

勉強会(2009)」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 子宮筋腫の不正出血タイプ別漢方対策。気血不足、実熱:

« 不育漢方。不育症の方の妊娠、ご出産 | トップページ | 「薬局冥利に尽きると思いました。」 »