朝顔。漢方では牽牛花。薬用部位は葉、種子、全草。種は牽牛子
毎年恒例の我が家の朝顔を紹介させてください。
今年も朝顔が天高く暑さに負けじと登って、そして毎朝咲いています。
お昼には暑さでグッタリとしおれてしまいますが、一晩経てばまた復活で可憐な花を咲かせます。
頑張れ、朝顔!
<2010年7月28日 我が家の朝顔2010>
漢方では、朝顔は 牽牛花(けんぎゅうか)と呼ばれます。
薬用部位は、葉、種子、全草を用います。
日本漢方の大家 大塚敬節先生の 「漢方と民間薬百科」 (主婦の友社 昭和41年発行)から、引用しますと、以下のようになります。
使用方法
①毒虫刺され、マムシの咬み傷
毒虫に刺されたときは、生の葉をよくもんでつける。
ハチに刺されたときなどにも、よくきく。
そのままでなく、塩でもんでつけると、いっそうよくきくといわれている。
また、葉をゴマ湯にひたしておいたものは、マムシにかまれたときにつけると、即効があるという。
②便秘
種子を日光に当ててよく乾燥し、粉末にする。
これを一回に 0.3~1g、水で服用する。
ただし、激しい作用があるので、からだの弱い人には用いず、じょうぶな人だけに限る。
効果がなければ少しずつ増量してもよいが、せんじて飲んだのでは効果がない。
必ず粉末のまま用いること。
(著者注: 種は 牽牛子(けんごし)と呼び、現在でも便秘薬などに下剤として配合されています。お手元に、便秘薬がありましたら、一度 成分を確かめてみてください)
③しもやけ
葉のついたままを根元から切りとり、日光に当ててよく干しあげて、しまっておく。
しもやけには、これをせんじて、熱いうちに罨法(あんぽう)をする。
このせんじ汁は捨てず、朝夕五分間くらいずつ温罨法(あんぽう)をすると、たいそう効果がある。
(著者注: 温湿布をするということですね)
④痛風
痛風、リウマチ、神経痛などで手足の痛むとき、種子がきくことがあるが、適応症が限られているから、むやみに用いないほうがよい。
からだのじょうぶな人が、発病初期に用いるのはよいが、慢性になったものや、からだの弱い人に用いるのはよくない。
用法は、黒牽牛子(黒い種子)を三等分し、生のままのものと、黄色になるくらいにいったものと、少しこげるくらいにいたものと三種類を作り、それぞれを粉末にしてよくまぜ、一回に1~2gを重湯(おもゆ)で飲む。
下痢をすることもある。
アサガオの種子を用いた経験
太平洋戦争で、シナから輸入の漢方薬が払底してしまったときのことである。
下剤としては 雲南地方の唐大黄(とうだいおう)がよくきくのだが、これもなくなり、かわりにアサガオを用いてみた。
はじめはせんじて用いたが、少しもきかないので、よく調べてみると、アサガオの種子の有効成分は水にとけないことがわかって、粉末として用いてみたところ、少量でもよくきいた。
ことに、大黄を少量だけ加えるとよくきくので、大黄を節約することができた。
(以上、「漢方と民間薬百科」の97~98ページより、引用させて頂きました。ありがとうございます。)
| 固定リンク
「我が家の庭 2010~」カテゴリの記事
- フキノトウと台湾朱鷺草、ビタエックス顆粒<分包>入荷しました!(2017.03.09)
- 久しぶりに一眼レフで我が家の庭の撮影を(2017.01.04)
- 五官病における鼻病五度弁証の基礎理論と臨床応用(2016.11.02)
- ハウチワカエデと石灯籠 新緑がきれいな季節です。漢方相談の合間に(2016.04.30)
- ギリシャ語由来のピラカンサ。中国語では火棘(かきょく)(2014.06.10)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント