生殖医療に関わる疑問に答える…ARTの今後は?
3)ARTによる妊娠率と分娩率は、上昇(停滞、減少)の傾向にあるのでしょうか?今後の10年間ではどのような傾向になると予測されますか?
回答
イギリス、カナダ、ヨーロッパ諸国の統計によると、妊娠率、分娩率とも除々に上昇してきている。しかし妊娠率や分娩率はいろいろな要因によって変化を受け、施設間の格差もある。技術のよい施設では単一胚移植も試みられているが、単一胚移植は複数の胚の移植よりも妊娠率および分娩率は低下する。さらに、凍結融解胚移植では新鮮胚移植よりも妊娠率および分娩率は低下すると報告されている。
わが国では単一胚移植もの実施率も上昇すると予想され、その結果妊娠率や分娩率の低下が危惧される。高齢者へのARTはネガティブな影響をもたらしているので、何らかの対応策も必要である。
わが国の最近の全国統計ではIVFおよびICSIの妊娠率および分娩率は最近では低下傾向が認められる。欧米においては凍結融解胚は新鮮胚移植よりも臨床成績は20%ほど低下すると報告されているが、わが国においては新鮮胚移植よりも凍結融解胚移植ので良好な結果が得られている。
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土屋のメモ
○双子は障害の可能性が正常の2倍、品胎は障害は正常児の9倍
○凍結融解胚移植ができる施設はレベルが高い。本来、新鮮胚移植と凍結融解胚移植では新鮮胚移植のほうが成績が良いはずなのに(諸外国では)、日本では凍結融解胚移植のほうが良好な結果となっているのはその施設のレベルが高いから。病院間の格差がある。
○不妊治療は健康な子どもを生むためにやっている。47歳の人はIVFをやっても。。
○ART→高度生殖補助医療、IVF→体外受精、ICSI→顕微授精のこと
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