不妊症と漢方薬。子宝漢方の漢方相談の基本ルール
こんにちは。
薬剤師、不妊カウンセラー、国際中医専門員(国際中医師)の土屋幸太郎です。
不妊症の漢方相談の定義です。
通常はまずルールがあります。
よく中国語の本場の不妊症の漢方の本では「久婚不妊(きゅうこんふにん)」という言葉がでてきます。
日本語ではあまり表現されていませんが、中国語の意味では文字通りに「結婚して長年経過したのに子宝に恵まれてない」ような状況を指します。
周囲のプレッシャー、家族、兄弟姉妹、職場など、いろいろなところで心理的な圧力があったり、加わったりします。
お友達が後から結婚したのにすぐに授かったとか、年賀状のやり取りが辛いなどもあります。
仕事上、保育士さんで小さなお子さんが好きなのに子供に恵まれないなどのストレスもあります。
ベビーシッターさんや小学校の教員の先生方にも言えることです。
2人目不妊で自分の小さな子供と一日一緒にいる生活でも母性本能が強くなり、それが第二子不妊の原因になることもあります。
そのルールのことに話は戻りますが、最初はお客さまとよく話して心と心の交流ができることが望ましく、またいきなり子宝の不妊漢方に良いような補腎薬など、たとえていえば重戦車のような方剤でもかえってストレスが強くなるような場合もあります。
不妊症の中国漢方、子宝漢方での4つの分類わけ
1)肝気鬱結、通称は肝鬱(かんうつ)タイプ
ため息が多く気持ちが沈みがち、抑うつ状態。
悩みが深い。憂鬱な気分になったりします。
将来に対してもあまり希望がもてない
2)腎虚(じんきょ)タイプ
これは後程、もしこのコラムがシリーズ化するのでしたら述べますが、高齢不妊のようなエイジングの問題です。
30歳以降は2~3パーセントずつ妊娠率が落ちてきますし、38歳という年齢からは急激に卵が減りやすくなってきます。
早発閉経のかたなどは、疏肝(そかん)のリラックス法に加えて補腎薬を併用するのは自然の理でございます。
腎は卵巣、卵、ホルモンのような生殖系と関係しますから、男性の場合には精子の問題につながります。
女性の場合は、FSHが高いとか、AMHが少ない
初潮年齢が遅めなどが腎虚の一つのサインです。
3)淤血(おけつ)タイプ
正式には血淤(けつお)で全身の血行不良の状態です。
40歳以降で血圧も高めで血行不良のような場合には不妊治療も難しいケースがあります。
血流改善の活血化淤(かっけつかお)も一つの不妊を解消する漢方の方法です。
卵巣嚢腫や子宮内膜症、チョコレート嚢腫、子宮腺筋症なども淤血(おけつ)と認識することが一般的です。
淤血という文字は血淤とどう違うのかと言いますと、淤血(おけつ)=局所、血淤(けつお)=全身という感覚です。
卵巣嚢腫はですから局部なので淤血、血圧が高いことは血淤。
子宮筋腫は淤血、腺筋症の子宮の腫れも淤血。
生理痛、経血の塊なども淤血の範疇です。
淤血とは、血液がドロドロしていて血行が不良になっているイメージです。
血液サラサラという今ではちょっと使い古された感じの語句が似合う生薬をメインに使っていきます。
4)痰湿(たんしつ)タイプ
血と水は、血管の中にあれば血(けつ)。血管の外では津液(水)です。
似たようなものですが、痰湿とは水分代謝の異常による「水の塊」のようなものです。
実はこの痰湿(たんしつ)もガンや卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などに淤血と並んで重要なファクターになります。
邪気(じゃき)になります。
不内外因(ふないがいいん)とも言って、肥満にも痰湿は関係するし、PCOSの多嚢胞性卵巣症候群にも淤血と一緒に痰湿が絡んでいて、卵巣の中に小さな卵がいっぱい。という状態も痰湿になります。
排卵を目指すときには化痰、活血化淤で淤血と痰湿の両面を解消することがメインになります。
ニキビにも生理前のニキビなどは痰湿と考えますし、淤血が絡んでいる場合もあります。
そういえばPMSなどの月経前緊張症候群は1)の肝気鬱結タイプで肝臓の経絡は胸が張りやすく、イライラしやすいのです。
ため息や憂鬱もあり、ちょっとしたことで主人と口げんかになったり、子供に八つ当たりして反省などもあります。
胸の張りが強いことも中国漢方の不妊の原因として、肝気鬱結や2)腎虚が絡んできます。(実際には「脾胃」の力もあります)
そのほか子宮内膜症、子宮腺筋症のかたはやせ気味で胃腸が弱い脾気虚タイプが多いこともあります。
どうぞ土屋薬局まで機会がございましたら漢方相談お寄せください。
(2回目の続編がありましたら、またの機会にコラムを作成します)
土屋薬局 中国漢方通信の「高齢不妊と漢方、妊娠、出産について」「不妊漢方早わかり/子宝漢方のツボ/山形仙台」こちらのコラムも参考になりましたら、幸いです。
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