子宮腺筋症の漢方薬、桂枝茯苓丸、温経湯について
「妻が子宮腺筋症で現在漢方薬の桂枝茯苓丸、温経湯を服用しております。よろしければ今服用している漢方が適切なのか、他にお勧めいただける漢方がおありかどうかを教えていただければと存じます。」
このコラムは子宮腺筋症の生理痛の疼痛、不正出血、不妊対策の漢方的な考え方の回答です。
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こんにちは。
薬剤師、国際中医師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
不妊漢方で子宝妊娠ママに 土屋薬局ブログをご覧になっている読者の方から漢方薬のご質問を頂戴しました。
勇気を振り絞って、手間をかけて奥様の子宮腺筋症の漢方薬に関するご質問を送られたことと思います。
ありがとうございます。
奥様を思う気持ち、子宝を願う気持ちが伝わってきます。
ぜひとも今後の治療もうまくいって頂きたいです。
それでは、読者のかたからの子宮腺筋症と漢方薬、桂枝茯苓丸と温経湯に関するご質問です。
「こんにちは。お世話になります。
現在不妊治療中にて、相談させてください。
現在私が38歳、妻が35歳です。
今まで、タイミング療法でしたが、これから人工授精にステップアップしようというところです。
妻が子宮腺筋症で、現在漢方(桂枝茯苓丸、温経湯)を服用しております。
よろしければ今服用している漢方が適切なのか、他にお勧めいただける漢方がおありかどうかを教えていただければと存じます。
よろしくお願いします。」
子宮腺筋症の場合には、私が考えるにポイントがあると思います。
不正出血が常日頃から多いタイプ
たとえば月に半分くらいが不正出血がダラダラと続くタイプがあります。
また生理がすっきりと終わらずにダラダラと続いたり、しかも激痛で耐え難い痛みのことも多いです。
いっそ、子宮をとってしまいたい。と考えて過去に20代でありながら独身にも関わらず、産婦人科のお医者さんに頼んで切除した人もいたくらいです。
子宮が固くなってきて炎症がありますので収縮が悪くなっていることが一つの要因です。
月経のときには、月経痛がどのくらいのレベルか、いつ出血量が多いのか、血塊(コアグラ状とか)があるかどうか。
下痢や軟便になるかどうかなども大切なチェックポイントです。
○月経周期が短くなりやすいタイプが多いです。
28日周期以下で24~26日のことも多くあります。
奥様の月経周期は 月経周期が長いか短いなどもチェックポイントとなります。
そのうえで基礎体温をおつけの場合には、基礎体温全般の体温からも判断するようにしていきます。
大事なことは、子宮腺筋症の場合には、たとえ体が冷えていたとしても子宮など、患部は中医学、中国漢方の不妊症の専門理論では「熱」を持っていることが多い場合があります。
「鬱熱(うつねつ)」です。
子宮周りの経絡も、気血(きけつ)など流れがスムーズでしたら、炎症もなくて渋滞が起きないのですが、ストレスやエイジングの問題、寒さなどいろいろな要因により、経絡や気血が詰まると「鬱結」して「熱化」していきます。
「通じざればすなわち痛む」
この言葉がありますように、スムーズに気や血や婦人科の経絡の流れをよどみなくすることも大切です。
ご指摘の質問の内容、桂枝茯苓丸という漢方薬では私は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によく使っています。
湿を払い、血流をよくする良い漢方薬です。
温経湯という漢方薬のほうは、残念ながら土屋薬局では常用の漢方処方ではありません。
私自身も今まで漢方相談20年以上していますが、温経湯という漢方薬をお勧めしたことが一度もないので、子宮腺筋症に合っているかどうか判断の可否も含めてコメントが難しいです。
当店では今も仙台市にお住まいで東根の土屋薬局を漢方でご利用していたお客様が子宮腺筋症で妊娠されていて、非常に喜んでいるのですが、本場 中国での漢方医の先生も子宮腺筋症には全精力を尽くされて漢方相談されています。
(当店の場合には、過去に子宮腺筋症の漢方相談で5人のかたは妊娠、出産されいている実績があります)
まずは、いまの漢方の処方の先生も奥様のために一生懸命に考えられて、温経湯と桂枝茯苓丸の漢方薬を処方されているはずですから、しっかり服用して体調のことなど相談していってみてください。
温経湯や桂枝茯苓丸は活血化淤(かっけつかお)といって血行を改善する漢方ですが、そのほかに卵子の質を良くするように補腎(ほじん)をしたり、ストレスを緩和するために疏肝(そかん)をしたり、またはお日様が強いと畑が乾燥してきますから寧心(ねいしん)をしたり、養血調経(ようけつちょうけい)をしたり、各種、その時中(じちゅう)、つまり今の奥様の年齢や体調、季節、婦人科での不妊治療の人工授精などなども総合的に検討すべきと思います。
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こちらのはてなブログを注意深く読んでいくと子宮腺筋症や子宮内膜症などの漢方の対応策が分かるようになっていますので参考になりましたら、幸いです。
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山形の土屋薬局 ブログで漢方通信(子宝報告)にご質問の場合には、薬剤師、不妊カウンセラー、国際中医師の土屋幸太郎が回答しますので、メールにてお寄せください。
回答は当ブログ上で回答させて頂き、ほかの同じようなことで悩んでいる方の参考になれば、多くの皆様も助かることと思います。
不妊症の漢方早わかり/子宝漢方で妊娠、出産! <不妊症の子宝漢方のツボを公開します>
こちらも参考になりましたら、幸いです。
今回は、子宮腺筋症の漢方薬、桂枝茯苓丸、温経湯についてご質問ありがとうございました。
(実際には、子宮腺筋症の漢方薬の場合には、患部が炎症をもっていて熱があおって出血過多になったり、月経周期が短くなりますので、漢方でもあまり温めすぎも気を付けます)
おはようございます。お庭では、ドクダミが可憐な白い花を咲かせる季節になりました。 pic.twitter.com/BtmOfBMpfU
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ドクダミと奥にはユキノシタ pic.twitter.com/3WEZRMKvFw
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