卵巣機能低下、早発閉経の不妊への漢方対応
2017年6月6日に中医不妊症お茶の間講座 不妊IP講座 薔薇組を受講しました。
定期的に薬局の勤務が終わった午後8時から午後10時まで中医薬研究会の有志の先生方と中医不妊症を学び、中医学講師の先生たちをテューターとして基礎から応用まで学んでいます。
わたし土屋幸太郎が勉強した内容を記録していきます。
症例1
「30代女性 検査値がFSHが100を越える。
E2 25以下、AMH0・1未満
低用量ピル使用歴3年 無月経歴3年
精神安定剤を服用しています。」
「ダイエットをして体重がものすごく痩せたことがある。
冷え性、イライラ、不眠不安。
食事が少ない。
眠りが浅く、夢が多い。
プレマリンなどで生理を起こしています」
中医学講師の劉先生より
FSHは8以下が正常。
100を超えると閉経女性の数字。
E2が25以下なので、まだ可能性があるかも?
FSHが下がる可能性があるかも?
過去の喫煙歴はPOF(早発閉経)の原因になる。
喫煙歴の長さ、1日の本数
精神安定剤はプロラクチンが上昇しやすい
POF(早発閉経)の中医学的な漢方対応
補腎活血(ほじんかっけつ)+疏肝解欝(そかんげうつ)
補腎活血が基本になる。
疏肝解欝は、疏肝解欝健脾として。
ストレスが卵巣機能低下につながる。
自己免疫のような卵巣を攻撃するかも。
1つの仮説。
POF(早発閉経)とは 1)FSHの上昇 2)生理不順 43歳以下
FSHを下げるのは困難、FSHが上がることを遅延させること
FSHが10,20くらいの人は上がらないようにしていく。
山東省の先日も講演いただいた先生は 「2017.04.28 高齢不妊症、卵巣機能低下における中国漢方の考え方(2)」FSHは1回計測すれば何度も測ることはないそうです。
FSHを何回も測ると
1)ストレス
2)測ってもあまり意味がない
FSHが60でも90でも差はない。
FSHが高い卵巣機能低下、卵巣機能不全、早発閉経の場合の漢方対応は
補腎・活血 疏肝・健脾
とくに基礎体温表が不安定な場合には疏肝健脾も
消化吸収を良くしていく
ポイントは
1)時間がかかる→若い年齢の早発閉経、卵巣機能低下の場合にはひょっとしたら変化するかも
3ヶ月を1クール。
変化がなかったら早発閉経、卵巣機能低下の漢方処方を考える。
2)漢方処方を状況により調整すること
3)おりものの観察(来店されてからおりもの、のびおりが増えたかどうかチェック)
4)土壌、種、肥料、環境
土壌は活血する、種はいいものを選別する、肥料は補腎活血で。
山東省の不妊症の先生のところでは、FSH178で自然妊娠した方がいる。
何例もそのような症例を持っている。
POF(早発閉経) 種が減っていく、種(卵子)が劣化していく。
いいものが少なくなっていく。
基礎体温表はかなり不安定
POF(早発閉経)の患者さん2つのタイプ
1)ガタガタ不安定
2)安定している
このうち1)のほうが変化しやすい
補腎活血でおりものが増えて↑ 卵がでてくるかも
POF(早発閉経)で基礎体温表が安定している場合はなかなか変わらない。
POF(早発閉経)でも同じ漢方処方はない。
処方を変更していく。
1人1人体質が違う。
体に合う漢方を選ぶ。
効果がないときには再度、漢方薬の処方をかえる。
活血は今回の処方の破血薬よりも丹参製剤の漢方薬がいいでしょうね。
妊娠維持にも丹参製剤がよい。
丹参は 1)血流改善作用 2)子宮内膜改善作用に優れている。
基礎体温表が高かったら水蛭製剤もよい。
おりものの観察が大事→あったら必ず病院にいって超音波でみてもらう。
おりものはE2が増えてきている。
(E2は卵胞の顆粒膜細胞からでる)
おりものが増えた場合には卵胞は13ミリ以上はあると思う。
補腎陰 三分のニ + 補腎陽 三分の一
動かす(おりもの増えたら)
五子衍宗丸を基本とした種、卵子、精子によい漢方薬もよい。
種(精子、卵子)には補腎精
満州の秘宝のハシマとか紫色のソフトカプセルとか。
おりものが増えたらクコの実と菊の花が配合された漢方薬を増やしたり
亀ちゃん漢方を増やしたり
<2017年6月20日 月山の夕焼け>
ご覧ください。
月山の向こう側の日本海側へお日様が沈んでいきます。
今日という1日にさようならを。
みなさま、どうぞ明日もよい1日で!
お疲れ様でした。
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